極上パイロットが愛妻にご所望です
「両親は俺たちが結婚しないことをずっと心配していてね。朝陽がうちを辞めてまでも砂羽さんを愛しているようで安心した。と、話したらしい」

 社長……朝陽のお父さまが私たちの結婚に賛成していると知り、肩に入っていた力がガクッと緩む。

 まだ手を繋いでくれている朝陽にはわかったみたいで「大丈夫か? 水飲んで」とグラスを手にして渡してくれる。

「で、でも……」

 真鍋さんの話では、そうなったらAANとの取引を今度停止すると言っていたのに。それに危害が……。

「なにが『でも』なんだ? ああ、そうだった。シモンズ側の弁護士に別れると言ったらしいな」

 朝陽は困惑する私の顔を覗き込んで、フッと笑みを浮かべる。

「どうしてそれを……?」

「ハンナから聞いた。シモンズのじいさんの弁護士が砂羽に接触し、脅し同様に俺と別れるように言ったんだろう? 申し訳なかったと伝えてほしいと、ハンナの兄ハワードからことづけがあった。俺や家族に危害を加えるとか? 怖かっただろう?」

「ハンナさんのお兄さまから……?」

 私は話が呑み込めず、首を傾げた。

< 265 / 276 >

この作品をシェア

pagetop