極上パイロットが愛妻にご所望です
「砂羽、ここに呼び出してすまなかったな。俺が言っても、あの様子じゃ納得してくれなかっただろ? 兄貴が話せば、真実味が出ると思ったんだ」

「……朝陽。心臓が口から飛び出そうなほど怖かったんだから」

「ま、ここへ来てもらったのは、俺を焦らせた罰もあるけどな。信じないお前が悪い」

 朝陽は不敵な笑みを浮かべ、私の頬を軽く摘まむ。

「んんっ! おふたりさん、俺の前でイチャイチャしないでくれないか? ひとり身には目に毒だ」

 こんなに容姿端麗でカッコよく、地位もある人がひとり身なんて信じられない私だ。

「朝陽、その格好で本社へ来ると、モデルがコスプレをしているようにしか見えないし、女性社員が落ち着かなくなるからやめてくれと言ったはずだろう?」

「俺が指定した時間より三十分も早く砂羽を来させたせいだろ。デブリーフィングを終えて、車を飛ばしてきたんだ」

 デブリーフィングとはフライト後の打ち合わせのことだ。
 
 AANの正式な機長に対してコスプレ発言する桜宮専務と朝陽から、仲の良さが伺える。


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