極上パイロットが愛妻にご所望です
 ふたりは窓際に立っていた私のところへやってくる。

「砂羽! おめでとう! とてもきれいよ!」

「おめでとう。素敵なホテルで最高の旦那さま。砂羽ったらなんてうらやましいの~」

 久美と友莉子は満面の笑顔で祝福してくれる。

「ありがとう。もう心臓がバクバクして……」

「私のときもそうだったわ。もう一年経つなんてね」

 久美は感慨深げに口にすると、友莉子が続く。

「結婚まで早いわよ~。決めた! 私、今日誰か見つけるわ!」

「ちょっと。AANの男はなかなか会えないから辞めたくせに。ねえ? 砂羽」

 久美に賛同するように頷くも、友莉子には早く誰かいい人が現れてほしいと願っているから、実は披露宴の席は朝陽に頼んでイケメンコーパイの隣にしていた。しかも彼女なしの。

 驚かせたいから、今はまだ内緒。席次表は出入口で渡されることになっている。

 ――トントン。

 ノック後に入ってきたのは朝陽だった。今朝一緒にホテルに入ったとき以来で、朝陽は純白のフロックコートを着ていた。眩しいくらいの男っぷりだ。

「あら? 花婿が挙式前に花嫁に会いに来るなんて。砂羽が可愛くて仕方ないんですね」

 久美が颯爽とした足取りで入室する朝陽を茶化す。

「まあな」

 ちょっと照れくさい笑みを端整な顔に浮かべた朝陽だ。

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