極上パイロットが愛妻にご所望です
 テーピングをつけて結婚式に出席する?
 
 でも、パーティードレスは半袖で、テーピングが肌色とはいえ目立ってしまう。
 
 湿布に包帯では余計だろう。おしゃれな空間で美味しい料理を食べるとき、ツンとする湿布のにおいは避けたいし……。

 動かすたびに痛む手首を気にしないようにして、いつもより華やかになるようなメイクを施した。

 この日のために買ったパーティードレスは淡いラベンダー色で、両肩まで緩やかなカーブを描いたバトー・ネック。胸の位置から上と袖の部分は、チュールレース生地がロマンティックで女らしく、ひと目惚れだった。

 ウエストで切り替えが入ったスカートは、ちょうど膝までのストレートラインで、足の形をスラリと見せてくれる。

 髪の毛はスッキリと夜会巻きにして、顔を囲むように髪をクルンと巻いたほうが、このパーティードレスに似合うのかもしれないけれど、手首の痛みでいつものようにうまくセットできず、ハーフアップに仕上げるのが精いっぱいだった。

 準備を終えてテーピングを外し、時計を見ると、あと五分で家を出なくてはならない時刻だった。

 用意していたシルクのショールとバッグを手にして、自宅を慌ただしく飛び出した。

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