極上パイロットが愛妻にご所望です
「友莉子さんっ、砂羽さんっ! お姉ちゃん、お待ちかねの人たちよ!」

 香織ちゃんは久美と私たちの話をしていたのか、奥のソファに座った姉にうずうずしたような声で言って、振り返った。

 花嫁は、ロココ調が美しいアイボリーのレザーソファに座っていた。

 純白のウエディング姿の久美はまばゆいばかりに美しく、その場が幸せのオーラに取り巻かれているような雰囲気だ。

 私たちは「きゃーっ! 久美~、きれい! おめでとう」と、口々に言葉をかけながら新婦に駆け寄る。

「ふたりとも、来てくれてありがとう」

 私はお姫さまみたいな久美にハグをしたかったが、純白のウエディングドレスということもあり、ふんわりと床に落ちている裾を踏まないように近づくだけにした。

「きれいすぎて近づけないわ」

 私がそう口にしたら、間髪入れずに友莉子も大きく頷く。

「なに言ってるの。もっと近づいてよ」

 久美はひらひらと手を振って招いてから、ウエディングドレスの裾を手繰り寄せる。

「でも……」

 近づかなければ一緒に写真も撮れない。しかし、ウエディングドレス姿の久美は美しすぎて、近寄りがたい。

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