極上パイロットが愛妻にご所望です
「もうっ! 砂羽、友莉子、隣に来て。写真撮ろうよ。香織、お願い」

 躊躇している私たちに、久美は幸せそうな笑顔を浮かべて、肘までの純白のグローブをつけた手で自分の両サイドをポンポンと叩く。

「はーい」

 姉に頼まれた香織ちゃんも弾んだ声で返事をして、テーブルからデジカメを手にする。まだ染みひとつない純白のウエディングドレスに近づくのが怖い私たちに、久美はケタケタと笑い、

「早くっ!」と焦れる。

「う、うん」

 私と友莉子は顔を見合わせて頷き、ウエディングドレスを踏まないようにしながら、おずおずと近づいた。

「撮りますよー。はいっ、笑ってー」

 香織ちゃんの合図で、笑顔で撮影に集中する。カシャカシャと何枚も撮ってもらった後、私たちのスマホでもお願いした。

 そこへ部屋がノックされ、久美の友人たちがドアから顔を覗かせた。

「久美、私たちはチャペルのほうへ行ってるね。披露宴も楽しみにしてるから。お幸せに」

「ありがとう。あ! 砂羽っ。披露宴、私からのサプライズがあるから、それも楽しみにしていてね」

 サプライズ……? なにかの演出があるのね。


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