極上パイロットが愛妻にご所望です
 チャペルの祭壇の背後では、窓一面に施された百五十年の時を刻むアンティークのステンドグラスが外からの光を取り込み、輝かしい色が放たれていた。
 
 そして祭壇の前には、ビシッと決まった白いタキシード姿の長身の城田機長と、ドラマチックなウエディングドレス姿の久美。ふたりはお似合いで、出席者からため息が漏れるほどだ。
 
 パイプオルガンの重厚な音色が荘厳さを醸し出し、私たちは息を呑みながら素敵な挙式を見守っていた。

 左右の席に、新郎側と新婦側の参列者。新婦側は同僚や友人が女性ばかりなので、パーティードレスが色とりどりなこともあり、華やか。逆に新郎側は数人の女性を除き、ほぼ黒かグレーだ。

 参列者にはやはり、ときどき見かける機長やコーパイの姿が窺えた。

 ふと、先ほど久美と別れるときに、彼女が口にした言葉を思い出す。

『披露宴、私からのサプライズがあるから、それも楽しみにしていてね』

 私と友莉子はスピーチを頼まれていないから気が楽だけど、久美がそう言うくらいだから、なにか余興があるんだろうな。
 
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