極上パイロットが愛妻にご所望です
 目と目が合った久美は瞳を潤ませ、コクコクと何度も頷くので、私も目頭が熱くなってしまった。

 ライスシャワーの祝福が終わったところで、ブーケトスになる。

 独身の女性たちが、幸せをあやかりにブーケを受け取りたいと並ぶ。久美の招待客は独身のCAが多いから「きゃあきゃあ」と浮かれた声がその場に響く。

 私みたいな平凡な容姿の者から言わせてもらうと、容姿端麗のCAならばブーケを受け取らなくてもいいのでは?

 でも、これは結婚式のイベントのひとつ。盛り上がったほうがいい。しかし、思いのほかブーケを取る気満々の中へ行くのは怖いものがあった。

「砂羽、行こう!」

 考え込んでしまった私の腕を友莉子が引っ張って、向かおうとする。

 歩を進めるものの、利き手を痛めているから参戦するつもりはない。だけどここで行かないのも……と。

 周りでは男性陣や既婚者の親族たちが、楽しそうにブーケトスを眺めている。

 友莉子は私から離れ、ちゃっかり真ん中のほうを陣取る。

 私は端のほうに立ち、久美が後ろ向きで美しいラウンドブーケを投げるのを傍観していた。
 
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