極上パイロットが愛妻にご所望です
 私、からかわれているんだよね……?

 友莉子に肘でつつかれて、左隣へ視線をやると、彼女は意味ありげにニヤニヤしている。

「あんなにカッコいい人と、いつ知り合ったのよ?」

 私にも聞き取れないほどの小声で尋ねてくる。

 どう話せばいいのか困ったそのとき、ピアノの音と共に、女性司会者の透き通るような美しい声でアナウンスが始まった。

 私は、助かった、とホッと胸を撫で下ろした。

 パイロットの制服姿も素敵だけど、桜宮さんはブラックフォーマルもこなれた感じで着ているから、イケメン度がさらにアップしている。

 桜宮さんを意識してしまい、私の心臓の音が痛いくらいにドクドクと高鳴っている。

 暴れる鼓動を抑えるように、右手を胸に置いてしまったのが失敗。無意識に右手を使って、ズキッと痛みが走り顔を顰める。

 披露宴に集中しなきゃ。

 そう思っても、隣の桜宮さんが気になって仕方がないのだが。

 金色の気泡が立つシャンパンがグラスに注がれ、城田機長の上司であるロマンスグレーの機長が、ふたりに祝福の言葉をかけて乾杯の音頭を取った。

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