極上パイロットが愛妻にご所望です
「おめでとうございまーす!」

「久美、おめでとー」

 私から桜宮さんに久美が視線を向け、そして戻してパチリとウインクをする。

 えっ……?

 彼女の意味ありげなウインクに、サプライズがやはりこの席、桜宮さんの隣のことだったのだと気づいた。久美は私が桜宮さんに憧れていたと知っていたから。

 新郎新婦は一歩下がり、私たちのテーブルにお辞儀をして、隣へ歩を進めていった。

「砂羽、久美の真紅のドレスもきれいだったね」

 友莉子はうっとりした表情で、ほーっとため息を漏らし、ジェラートを口に入れた。

 フィレ肉も切ってもらえたし、桜宮さんの隣の席にしてもらって久美には感謝だけど、隣の席のCAたちの視線を披露宴中ヒシヒシと感じて痛かった。
 

 披露宴は滞りなく終わり、招待客はぞろぞろと会場から退出する。廊下へ出てもコーパイと話が盛り上がっている友莉子に「ロビーで待ってて。レストルームへ行ってくるね」と声をかけ、いそいそと向かう。

 レストルームのドアを開けた瞬間、その中にいた数人の女性がいっせいにこちらを見て、私の足が止まった。隣のテーブルにいたCAのグループだ。

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