極上パイロットが愛妻にご所望です
診断結果は腱鞘炎で、炎症があったため外用鎮痛消炎薬のシップを貼られ、包帯で巻かれた。
できるだけ右手を使わず、安静にとのことで、眼鏡をかけた男性医師の見解は私が考えていた通りのものだった。
胸のネームプレートには一条とある。
明日の仕事は休みだけど、明後日は早番。みんなに迷惑をかけてしまいそうだ。
「一週間後に診せに来てください。それまでに痛みが変わらないようであれば、いつでも」
「はい。ありがとうございました」
丸椅子からすっくと立ち、お辞儀をする私に、一条先生は「ちょっと待ってください」と引き止める。
若く見える一条先生は看護師を下がらせ、ふたりきりになると口を開いた。
「ところで、失礼ですが、あなたは朝陽の恋人ですか?」
そう聞く彼の眼鏡の奥の瞳が楽しそうに輝いている。
「えっ!? ち、違いますっ」
私が大きく首を左右に振ると、一条先生は持っていたペンをクルクル指で回しながら笑う。
「ふ~ん。違うのか……おかしいな。朝陽は好きでもない女性を心配して病院に連れてくることなんてしないのに」
「あの、桜宮さんとお知り合いで?」
できるだけ右手を使わず、安静にとのことで、眼鏡をかけた男性医師の見解は私が考えていた通りのものだった。
胸のネームプレートには一条とある。
明日の仕事は休みだけど、明後日は早番。みんなに迷惑をかけてしまいそうだ。
「一週間後に診せに来てください。それまでに痛みが変わらないようであれば、いつでも」
「はい。ありがとうございました」
丸椅子からすっくと立ち、お辞儀をする私に、一条先生は「ちょっと待ってください」と引き止める。
若く見える一条先生は看護師を下がらせ、ふたりきりになると口を開いた。
「ところで、失礼ですが、あなたは朝陽の恋人ですか?」
そう聞く彼の眼鏡の奥の瞳が楽しそうに輝いている。
「えっ!? ち、違いますっ」
私が大きく首を左右に振ると、一条先生は持っていたペンをクルクル指で回しながら笑う。
「ふ~ん。違うのか……おかしいな。朝陽は好きでもない女性を心配して病院に連れてくることなんてしないのに」
「あの、桜宮さんとお知り合いで?」