極上パイロットが愛妻にご所望です
「カフェオレを」
「それだけ? そろそろ小腹が空いたんじゃない? ケーキは?」
「大丈夫です。まだお腹は空いていないので」
小さく頷いた桜宮さんは通りがかった店員を呼び止めた。
店員にコーヒーとカフェオレをオーダーしている対面の桜宮さんを急に意識してしまっている。心を落ち着かせようと、水の入ったグラスへ視線を落とす。
車でも病院でも隣同士だったけれど、これから彼が話す内容を想像すると混迷してしまいさらに緊張している。
「右手を使わないように数日休暇を取ったほうがいいんじゃないか?」
「明日は休みなので、よくなると思います」
そう言うと、桜宮さんは拳を握った手を口元に置き「クッ」と喉の奥で笑う。
「砂羽、それってどこから来る自信?」
「自信はないです。でも、以前痛めたときはすぐに治ったから」
「それはそれ。今回は前回よりひどいんじゃないか?」
テーブルの上に置いた私の包帯を巻いた右手へ彼は視線を動かす。途端に、右手をテーブルの下に隠したくなった。
「とりあえず、様子を見ます。休めば他のスタッフに迷惑がかかるし」
桜宮さんは不服そうだけど、そこへ飲み物が運ばれてきて口をつぐむ。
「それだけ? そろそろ小腹が空いたんじゃない? ケーキは?」
「大丈夫です。まだお腹は空いていないので」
小さく頷いた桜宮さんは通りがかった店員を呼び止めた。
店員にコーヒーとカフェオレをオーダーしている対面の桜宮さんを急に意識してしまっている。心を落ち着かせようと、水の入ったグラスへ視線を落とす。
車でも病院でも隣同士だったけれど、これから彼が話す内容を想像すると混迷してしまいさらに緊張している。
「右手を使わないように数日休暇を取ったほうがいいんじゃないか?」
「明日は休みなので、よくなると思います」
そう言うと、桜宮さんは拳を握った手を口元に置き「クッ」と喉の奥で笑う。
「砂羽、それってどこから来る自信?」
「自信はないです。でも、以前痛めたときはすぐに治ったから」
「それはそれ。今回は前回よりひどいんじゃないか?」
テーブルの上に置いた私の包帯を巻いた右手へ彼は視線を動かす。途端に、右手をテーブルの下に隠したくなった。
「とりあえず、様子を見ます。休めば他のスタッフに迷惑がかかるし」
桜宮さんは不服そうだけど、そこへ飲み物が運ばれてきて口をつぐむ。