極上パイロットが愛妻にご所望です
「確かに、会ったばかりで付き合ってほしいと言われれば困惑するだろう。信用できないのもわかる。しかし、俺とのことを真剣に考えてくれないだろうか」

「不思議なんです。私のどこが? 桜宮さんの周りには美人のCAさんばかりなのに」

「誰もが美人を好きってわけじゃないだろ。あ、砂羽が美人じゃないって言っているんじゃないからな。君は可愛い」

 サラッと可愛いと言ってのけられ、頬に熱が集まってくるのがわかる。しかし、ハッと思い返す。桜宮さんの取ってつけたような『可愛い』を。

「……からかわな――」

「からかってはいない。本当のことだ」

 キッパリ遮られて、一瞬あんぐり口を開ける。そしてすぐ我に返り、ギュッと目をつむってから頭を大きく左右にプルプル振った。

「でも、私を好きってことではないですよね? 桜宮さんが私の存在を知ったのは食堂の廊下でしょう? それからゲート。今日まで片手でも足りるほどしか顔を合わせたことがないんですよ?」

「俺に関心がない割にはよく覚えてるな」

 私は墓穴を掘ってしまったのか、桜宮さんの顔に楽しそうな笑みが広がる。

「気になっていたんだ。俺は直感を信じたい」

 ええっ!? 気になっていた?

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