極上パイロットが愛妻にご所望です
顔からボッと火が出そうなほど熱を帯び、恥ずかしさから、挙動不審に視線を泳がせる。
「動揺中?」
桜宮さんはクッと笑い、楽しそうに私を眺めている。
「……んんっ。わ、私に、恋人がいるかもしれませんよ? もうすぐ二十七になりますし」
「いないのは調査済み。今日の花嫁から聞き出したから」
今日の花嫁――久美ね。隣同士の席にしたのも合点がいく。
桜宮さんは少し冷めてしまったコーヒーを飲み、椅子の背に身体を預けて不敵な表情で私の言葉を待つ。
「……考えさせてください」
「そうきたか。俺はいい物件だと思うけど?」
自覚しているところが憎たらしい。もちろん最高の男なのはわかっている。だからこそ、すぐに頷けないのだ。
私が答えられないのを見て、桜宮さんは「ふう~難攻不落の城みたいだな」とぼそっと呟き、ジャケットの袖を少し上げて腕時計へ視線を落とした。
「OK。少し考える時間をあげる。俺、明日からロンドンに飛ぶんだ。四日は戻れないな。また連絡する……っと、スマホの番号は教えてくれるよな?」
「はい」
頷き、隣の席に置いていたパーティーバッグを膝の上に持ってくる。
「動揺中?」
桜宮さんはクッと笑い、楽しそうに私を眺めている。
「……んんっ。わ、私に、恋人がいるかもしれませんよ? もうすぐ二十七になりますし」
「いないのは調査済み。今日の花嫁から聞き出したから」
今日の花嫁――久美ね。隣同士の席にしたのも合点がいく。
桜宮さんは少し冷めてしまったコーヒーを飲み、椅子の背に身体を預けて不敵な表情で私の言葉を待つ。
「……考えさせてください」
「そうきたか。俺はいい物件だと思うけど?」
自覚しているところが憎たらしい。もちろん最高の男なのはわかっている。だからこそ、すぐに頷けないのだ。
私が答えられないのを見て、桜宮さんは「ふう~難攻不落の城みたいだな」とぼそっと呟き、ジャケットの袖を少し上げて腕時計へ視線を落とした。
「OK。少し考える時間をあげる。俺、明日からロンドンに飛ぶんだ。四日は戻れないな。また連絡する……っと、スマホの番号は教えてくれるよな?」
「はい」
頷き、隣の席に置いていたパーティーバッグを膝の上に持ってくる。