極上パイロットが愛妻にご所望です
これから一ヵ月ちょっと、あまり好きではない梅雨の時期を過ごさなくてはならなくて、少し憂鬱である。
桜宮さんへまだメッセージを送っていないことが気にはなっていた。でも、なんて書いて送ればいいのかわからないのだ。
彼は昨日帰国しているはず。ゲートで姿を見ることは叶わなかったけど。そして今日は台北に飛んでいる。
桜宮さんが今度日本でゆっくりできるのは来週末なのだから、それまで沈黙していようかと考えていた。
一条総合病院の広いロビーは、会計を待つ患者や、これから受診する患者で混んでいた。
先日この病院をウェブで検索したら、腕のいい医者が揃っているようだった。一条先生は病院の名前が入っているから、血縁関係があるのかもしれない。
受付を済ませてから待つこと三十分。整形外科の診察室の前で待っていた私の名前が呼ばれた。
私が入室すると、デスクに向かっていた一条先生がクルッと椅子を動かし、笑顔を向ける。
「どうぞ、おかけください」
「はい。お願いします」
私は一条先生の前の丸椅子に腰を下ろし、右手を差し出す。
「うまくテーピングが巻かれていますね。外して診せてもらいます」
一条先生は右手に巻いたテーピングを取って、診察を始めた。診察が終わると、再び手際よくテーピングされる。
桜宮さんへまだメッセージを送っていないことが気にはなっていた。でも、なんて書いて送ればいいのかわからないのだ。
彼は昨日帰国しているはず。ゲートで姿を見ることは叶わなかったけど。そして今日は台北に飛んでいる。
桜宮さんが今度日本でゆっくりできるのは来週末なのだから、それまで沈黙していようかと考えていた。
一条総合病院の広いロビーは、会計を待つ患者や、これから受診する患者で混んでいた。
先日この病院をウェブで検索したら、腕のいい医者が揃っているようだった。一条先生は病院の名前が入っているから、血縁関係があるのかもしれない。
受付を済ませてから待つこと三十分。整形外科の診察室の前で待っていた私の名前が呼ばれた。
私が入室すると、デスクに向かっていた一条先生がクルッと椅子を動かし、笑顔を向ける。
「どうぞ、おかけください」
「はい。お願いします」
私は一条先生の前の丸椅子に腰を下ろし、右手を差し出す。
「うまくテーピングが巻かれていますね。外して診せてもらいます」
一条先生は右手に巻いたテーピングを取って、診察を始めた。診察が終わると、再び手際よくテーピングされる。