極上パイロットが愛妻にご所望です
 私はにっこり笑って、久美の腕に触れる。彼女は申し訳なさそうな笑みを浮かべてから、予約したレストランへ案内してくれた。

 落ち着いたイタリアンレストランで、美味しいパスタコースを堪能しながら、久美の結婚式の話で盛り上がる。

 ウニクリームパスタをフォークでクルクルと巻きつけた久美は思い出したように口を開く。

「あ、そうそう。私のサプライズはどうなったの? いい感じに進んでる?」

「サプライズって、桜宮さんを隣にしたことよね……?」

 テーブルが友莉子を抜かして独身男性だったことなのか、それとも桜宮さんが隣だったことなのか。久美のサプライズは後者だとは思うけれど、一応聞いてみた。

「そうよ! いい感じに見えたんだけど、どうだった? 噂も耳にしたわ。あの後、王子が砂羽を連れ出したって」

「おかげさまでいまだにCAたちから冷たい目で見られているわ」

 桜宮ファンの彼女たちは大人げなく、目と目が合うとツンとそっぽを向かれたり、鋭く挑発的に見据えてくるのだ。

「あらら、そうよね。最年少機長のイケメンで、我がAANの御曹司となれば王子は理想の男性だものね」

 久美は悪気のない笑顔で納得している。

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