屍病
まず、ママは真倫ちゃんを知らないという。


でも、私は最後に抱き締められたことや、キスをしたことを覚えてるし、その感覚もまだ残ってる。


あのイーターが溢れる世界は、私が確かに経験したものだ。


それなのに、何かがおかしい。


あのお祭りの日から、何日も経っているはずなのに。


私の記憶がおかしいっていうの?


何が違ってて、何が正しいのかわからない。


どこから、私の記憶が間違ってるの。


真倫ちゃんが私をお祭りに誘いに来た時には、ママは真倫ちゃんを知っていた。


料理にされたはずの結夢だって生きている。


だったら……もっと前から?


私は自殺をしようと、学校の屋上にいて……怖くて飛び降りられなかった。






本当に、飛び降りられなかったの?


もしかして、あの時私は飛び降りていたんじゃないの?


だから、病院に運ばれて……。


だとしたら、ここは病院?


私はあの時、屋上から飛び降りていたっていうの?


じゃあ……真倫ちゃんと飛び降りたあの記憶は一体。


全てが私が見ていた夢……だとでもいうの?


あんなに大好きだったのに。


ずっと一緒にいようって言ったのに。


あれが、夢であるはずがない。
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