屍病
瞬間、ゾワッと背筋を撫でられるかのような悪寒が走り、動きが固まってしまった。


杉山先生が割った窓……その奥。


茂手木の遺体がある場所から、何やら気味の悪い音が聞こえた。


もしかして……高下がイーターに食われてる?


一気に緊張感が高まる。


手の震えはより一層激しさを増して、喉の渇きも今までに感じたことがないものになっている。


教室の前から入る? それとも後ろから?


いや、その前に、割れた窓から中を覗いて確認する方が良いかもしれない。


そう思って、杉山先生の遺体を迂回し、割れた窓の横に移動した。


ゆっくり立ち上がって、教室の中を確認するだけで良い。


イーターがどっちを向いているかを確認したら、背後から忍び寄って包丁で刺すだけ。


ここでイーターを殺せなかったら、死ぬのは私なんだ。


死ぬ気でやるしかない。


大丈夫……きっと上手く行く。


そう自分に言い聞かせ、包丁を握り締めた私は、ゆっくりと立ち上がって教室の中を覗いた。


でも、私は気付くべきだった。


あの不気味な音が止んでいた事に。


私の動きに合わせるかのように、教室の中にいたイーターは立ち上がっていて。


覗き込んだ私を見詰めるように、ニタリと不気味に笑ってこちらを見ていたのだ。
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