雨のリフレイン
水上鈴枝に対する恐怖から、勢いで名古屋まで来てみたが、思っていた以上に体も心も疲れを感じていた。


「そうだ、よかったらしばらくうちに来なさいよ。
部屋なら余っているし。セキュリティーだってバッチリよ?」

そんな柊子に香織が提案してくれる。

「そんな、とんでもない!これ以上ご迷惑をおかけするわけにはいきません」

弁護士からは、名古屋市内のホテルに泊まるよう指示を受けていた。

「いいね。ホテルを点々とするよりいいと思うし、その方が水上も安心だろ」

團も賛成するが、柊子が首をなかなか縦に振らない。香織は痺れを切らしてその場で弁護士に電話した。

香織は自宅のセキュリティーについて熱弁をふるう。

「はい、オッケー。逆に弁護士から、是非お願いしますって言われたわ。決まりよ」

香織の強引な性格、こんな時は頼もしい。

「いつまでいても構わないわ」
「そうだね。いい機会だから、お母さんの病気についても勉強させてもらうよ。
僕、アメリカで何件か同じような症例を見たことがあるんだ。少しでも症状が緩和できるよう努力するから」



こうして、柊子は状況が好転するまでしばらく三浦家で世話になることになった。


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