雨のリフレイン
「柊子ちゃん、お願い」
「は、はい!」


水上の姿に驚いているヒマはない。
山田師長にも指示されて、柊子は、慌てて病室を飛び出した。


どうして?
どうして水上先生がいるの?


全く進展しない初恋。封印している想い。
動揺するなという方が無理な話だ。


だが。


まずは桜木の為に、目の前に与えられた仕事が第一。

柊子に出来る事など限られているのだから。
出来る事は、せめて完璧に。
与えられる指示を精一杯こなした。

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