雨のリフレイン
眠気でぼんやりしていた頭では、教師の言っていることを理解できない。
柊子の父は、普段から風邪もひかない。至って健康そのものなのだ。


「…?まさかぁ。
お父さん、朝もいつも通りだったし、持病もないんですよ?」

「とりあえず、すぐに病院へ。
荷物を持って来なさい。先生が病院まで送ろう。
光英大学病院なら、車のほうが早い」


教師の言っている事が信じられない。信じられないけど、教師が柊子に嘘をつく理由もない。
とりあえず荷物を抱えて、病院へ向かった。


「先生、ありがとう」
「いいから、急ぎなさい」


柊子は、お礼もそこそこに病院の正面玄関の前で車を降りた。入ってすぐの総合受付で案内を受ける。


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