雨のリフレイン
不意に視界が水上の端正な顔でいっぱいになったかと思ったら、柊子の唇に彼の唇が重なった。

チュッと音を立てて、すぐに離れる。

あまりの早さに、一瞬何が起きたかわからない。
ビックリして固まった柊子。

「あはは。
キスなんて海外じゃ挨拶の一つだぞ。
だが、流石は看護師の卵。元気をもらえる特効薬をありがとう。
さて、頑張るか。行ってくる」
「み、水上先生、急にビックリするじゃないですか!それにここは日本です」

柊子は、真っ赤になって抗議するが、水上は笑って柊子から体を離して、玄関に向かう。

「3度目のキスはもっと大人なキスにする。
疲れなんて、すぐに吹っ飛ばしてくれるようなキス。
じゃ、行ってくる」


ドアの向こうに水上の姿が消える。


「え、まさか、えー!!!!」


途端に、水上の残していった言葉の意味に気づいて柊子は絶叫する。

特効薬がキスなんて。
大人なキスって何!?
しかも、3回目って…
昨日の夜こっそりとしたキス、バレていたんだ!

「何、なんなの?
先生、どういうことなんですかぁ!」


一人残された部屋に恥ずかしさで悶絶するような柊子の絶叫がとどろいた。








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