恋叶うオフィス
武藤は二階へと向かう私の後ろ姿で気付いたという。まさか気付かれていたとは……。でも、その場で声をかけなかったのは、彼女といたからなのよね……?
「もしかして、渡瀬も俺に気付いてた? カウンターに近い席に座っていたけど」
「あー、うん。武藤かなと思ったけど……」
「ひと声かけてくれたらいいのに」
「だって、武藤……。知らない人といたし。一緒にいた人、誰?」
あとで聞く予定にしていたことをつい聞いてしまう。どんな答えが返ってくるのかとドキドキする。
決定的なことを言われたら、失恋が決定する。
「ん? 誰だか気になる?」
「うん、かわいい人だったね」
「ああ、確かにかわいいね」
武藤が誰かをかわいいと言うのはあまり聞いたことがない。素直に認められて、胸が苦しくなる。
確認したいと思うのに、これ以上聞きたくなくて、逃げたくなる。
「武藤の彼女? いつの間にあんなかわいい彼女が……」
「えっ? あー、いや……」
真っ直ぐと武藤を見据えて聞く私に、彼は目を泳がせた。彼女だと答えるのが恥ずかしいのかな。
「もしかして、渡瀬も俺に気付いてた? カウンターに近い席に座っていたけど」
「あー、うん。武藤かなと思ったけど……」
「ひと声かけてくれたらいいのに」
「だって、武藤……。知らない人といたし。一緒にいた人、誰?」
あとで聞く予定にしていたことをつい聞いてしまう。どんな答えが返ってくるのかとドキドキする。
決定的なことを言われたら、失恋が決定する。
「ん? 誰だか気になる?」
「うん、かわいい人だったね」
「ああ、確かにかわいいね」
武藤が誰かをかわいいと言うのはあまり聞いたことがない。素直に認められて、胸が苦しくなる。
確認したいと思うのに、これ以上聞きたくなくて、逃げたくなる。
「武藤の彼女? いつの間にあんなかわいい彼女が……」
「えっ? あー、いや……」
真っ直ぐと武藤を見据えて聞く私に、彼は目を泳がせた。彼女だと答えるのが恥ずかしいのかな。