恋叶うオフィス
私の欲求に応えて、彼は身体中にキスを落とした。恥ずかしい部分までキスをされて、身をよじらせても「離さない」と私を捕らえる。

離さないでとは言ったが、意味が違う……。だけど、好きな人に求められるのは、うれしい。

ふたりの体がひとつになった瞬間、うれしすぎて涙がこぼれた。直海がそれを拭って、目の縁にキスする。

そして、「愛してる」と欲しい言葉をくれた。ぼんやりする意識の中で、私はどう返しただろう。覚えていない。

一夜明けて、自分の体に絡み付く腕をそっと撫でる。彼は、まだ『離さない』を続行中だ。

彼の胸に私は頭を預けていた。規則正しい寝息が聞こえているが、ちょっとした出来心で彼の胸に何度かキスをする。

微かに動いたけど、まだ目覚めそうにない。

キスマークつけちゃおうかな……たくましい胸に吸い付いてみた。


「ん……。ん? ……柚希?」

「あ、起きた? おはよう」

「ん、おはよ……」


寝起きの声は掠れている。まだ完全に覚醒していないのか、抱き締める力が強くなる。まだ離さないようだ。
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