恋叶うオフィス
梅雨真っ盛りの六月二十五日。朝から降っていたしとしと雨が昼前にやんだ。

天気予報は雨のち曇りで、午後の降水確率は50パーセント。


「やっぱりパンツのほうがよくない?」

「ううん、今日は絶対スカート。武藤くんに褒められた足を出すのよ」

「あざとくないかな?」

「ちょっとくらいあざとくてもいいのよ。がんばりなさい」

「うん、行ってくる」


里香に背中を押されて、マンションを出る。紺色のカットソーにクリーム色のミモレ丈スカートを合わせて、胸元には例のネックレスを身につけた。

スカートを履くのは4か月振りかも。冬の間ははタイツを履くからとたまにスカートを履いていたけれど、春夏に履くことはほとんどない。

なんかスースーする……。武藤がどんな反応をするか、少しは褒めてくれるかと期待を込めた服装にした。

しかし、やっぱりパンツにしたらよかったかと何度も思って、最終的には里香に見てもらった。

背中を押されなければ、履き替えていたかもしれない。

武藤との待ち合わせ場所はホテルのロビー。曇り空を見上げてから、ホテルへと足を踏み入れた。
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