恋叶うオフィス
以前聞いた話では、小学生の時から二人暮らしだと言っていた。両親の離婚によって、弟さんとは離れて暮らすことになったと教えてくれた。
子供の誕生日は大人になったとしても、親にとってはお祝いしたい日のようだ。私は大学進学で家を出たけど、親は毎年電話をくれるし、ささやかなプレゼントも贈ってくれる。
親心とはありがたいものだと、離れてみてつくづく感じた。
「直海?」
「えっ?……あ……」
映画館が入っている商業施設の前まで来たとき、すれ違った誰かが武藤を呼んだ。私たちは足を止めて、声がしたほうへと振り返った。
呼んだのは、50代半ばくらいの女性。その女性は旦那さんなのか、同じくらいの年齢の男性といた。
武藤の知り合いかな? 下の名前で呼ぶくらいだから、親戚の人かも。
咄嗟の推測は外れる。「母さん……」と目を丸くした武藤が呟いた。まさか武藤のお母さんだったとは……。
「ビックリした。ムーンパークの帰り?」
「ああ、これから映画観るところで……。母さんは、買い物?」
「うん、直海のプレゼントをね」
子供の誕生日は大人になったとしても、親にとってはお祝いしたい日のようだ。私は大学進学で家を出たけど、親は毎年電話をくれるし、ささやかなプレゼントも贈ってくれる。
親心とはありがたいものだと、離れてみてつくづく感じた。
「直海?」
「えっ?……あ……」
映画館が入っている商業施設の前まで来たとき、すれ違った誰かが武藤を呼んだ。私たちは足を止めて、声がしたほうへと振り返った。
呼んだのは、50代半ばくらいの女性。その女性は旦那さんなのか、同じくらいの年齢の男性といた。
武藤の知り合いかな? 下の名前で呼ぶくらいだから、親戚の人かも。
咄嗟の推測は外れる。「母さん……」と目を丸くした武藤が呟いた。まさか武藤のお母さんだったとは……。
「ビックリした。ムーンパークの帰り?」
「ああ、これから映画観るところで……。母さんは、買い物?」
「うん、直海のプレゼントをね」