口さけ女と陰陽師
悲しみの歯車が動き出す

くち子サイド

くち子「口さけ女は恐ろしい妖怪になってるのか…。」

放課後くち子は公園のベンチで調べものをしていた。どうやら携帯で口さけ女について調べているようだ。

くち子「その強さは計り知れなく、足も早い口さけ女
は一度獲物と決めた相手は地獄のは手まで追い続ける。そんな口さけ女と沢山の妖怪が映画で戦わされているが、必ず口さけ女が勝っている。。。」

くち子は携帯で調べた内容をぶつぶつと読んでいる。

くち子「映画ではそんなに強いのか…私は。」

くち子の脳裏に小さい頃からの記憶が流れる。その記憶の中では口さけ女は他の妖怪にいつもいじめられている。

くち子「…いいなぁ。私もこれだけ強ければ…。」

そんな時だった。

?「あれ?くち子じゃね?」

くち子が顔をあげるとそこにはヤンキーというあだ名がつく程のチャラ男でイケメンなのに性格が悪いと女子の間で噂になっている同じ学校の生徒がいた。

チャラ男「何してんの?こんなとこで一人で。」
チャラ男の心の声[こいつやっぱ可愛いな…よし次の女はこいつやな]

そうチャラ男は目当てにした女子の尋常を平気で奪い、散々もてあそんだあげく捨てるという噂があるのだ。

くち子「ちょっと…調べものをしてて」

チャラ男「へー。ちょいみしてみ?」
チャラ男はヒョイっとくち子の携帯を取り上げた

くち子「あっ!」

チャラ男「ふーんくち子。お前口さけ女に興味あんの?げっ履歴全部口さけ女に関してじゃん…」

くち子「か、返してくださいっ」
くち子は慌てて取り替えそうと携帯に手を伸ばした時だった。くち子はチャラ男に腕を捕まれてしまった。

チャラ男で「やっば慌ててる顔もめちゃ可愛い…」

くち子「っ…!!」
くち子は離れようとするもいくら口さけ女だとはいえ、弱い妖怪のくち子は普段から鍛えているチャラ男の力には勝てず手を振りほどけない。

くち子「離してくださいっ!」

チャラ男「なんでー?照れてんの?ますます可愛いなぁ。」

チャラ男はくち子の体を腕で包み込んだ。

くち子「ひっ」
くち子はビックリして変な声をあげる

チャラ男「そんな怖い顔しなくても大丈夫や。くち子は可愛いからなぁ一週間は捨てないでやるからよ。」

チャラ男はくち子に口づけする為にマスクを外そうとした

くち子「いやっ」

くち子の心の声[マスクを外さないで!]

くち子が心の中でそう叫んだときだった。
バシーン

くち子は一瞬何が起こったのかわからなかった。
気がついたら自分はしりもちをつき、チャラ男は地面に顔を押さえながら倒れていた。
そしてそんなチャラ男をものすごい形相で睨み付ける飯島がいた。

くち子「い、飯島君?いつのまに…」

くち子がそういうと、チャラ男はフラフラしながら立ち上がり、口の中が切れたのか血を道端にぺっとふいた

どうやら飯島がチャラ男を蹴ったらしい

チャラ男「何すんだよ飯島。」

飯島「それはこっちの台詞だ。嫌がってる女子に、何てことをしてんだよ。お前は。」

チャラ男「サービスだよ。こんなイケメンの俺とやれるんだぜ?本望だろ。」

飯島「ばかげてるな。」

本当にその通りだとくち子も思った。いくらイケメンでも好きでもないような奴としたい女子がどこにいるだろうか。

チャラ男「ばかげてる?俺はたった一人で口さけ女について調べてるよりましだと思うけどね。」

飯島「口さけ女?」飯島の顔が一瞬こわばった

チャラ男「そいつだよ。さっき携帯を見たらそんなことばっかり調べてたぞ。そいつ」

チャラ男はくち子を指さしながらいった。

飯島は何かくち子に言いたそうにしてくちをつぐみ、チャラ男に向き直った。

飯島「とにかく、くち子は嫌がってんだ。これ以上するってなら警察呼ぶぞ!」

チャラ男「おー怖い怖い。やっぱお前としては気になる相手はほっとけないってか?」

飯島「…どういう意味だよ。」

チャラ男「だってお前…陰陽師なんだろ?」

くち子「………え?」
くち子の心の声[今…なんて?]

飯島はチャラ男の胸ぐらをつかみいいよる

飯島「お前どこでそれを知ったぁ!」

飯島はものすごい剣幕だ。

チャラ男「怒るなって。ちょっと調べたんだよ。君も俺と同じイケメンだからねぇ。何か弱味でも握って学校から消えてもらおうかと思ってね。イケメンが僕だけになればもっと女子の集まりがよくなるからねぇ。」

くち子の心の声[あの剣幕。。。それにあの人の表情陰陽師って本当なの?]

チャラ男「だから口さけ女について調べてるのしっていて興味もったとかなのかなぁって思ったんだけど違ったかっ…」
チャラ男がそこまでいうと、飯島はチャラ男を突き放し、

飯島「今すぐ消えろ!さもないと本当に警察にいうからな!」といった

チャラ男「はいはい。わかりましたよ。くち子またな。」

チャラ男がさり、二人だけの空間になった公園はまるで時間が止まったようになっていた

先にくちを開いたのはくち子だった。

くち子「ねぇ。飯島くん。」
飯島は黙って背中をくち子に向けたままだ。

くち子「あなたが、陰陽師って本当…なの?」

飯島はまだだまっているがくち子はすべてを察した

くち子「そう…本当なのね。」

くち子はそういうと黙って振り返りそのまま帰ってしまったのだった。


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