華麗なる人生に暗雲はつきもの




 再起不能な人間に容赦なく打撃を与え、ゴミクズのように捨てる非情姉妹。


 二人の頭には巨大な角が見えるし、今は座わっていて見えないが尻には悪魔の尻尾が生えているに違いない。



「私は小春が妹になってくれるとばかり思って式場も無理を言って押さえてもらっていたのに」



「明美姉、気が早過ぎ。小春ちゃんが選ぶに決まってるでしょ」



「いやなぁ、前に小春とそこのホテルでアフタヌーンティを楽しんでいる時に目を輝かせていてな。友人の勤め先だったから、押さえることができたのにキャンセルか……」



「俺はまだあきらめていない。なんとか協力してくれないか」



 無限に広がるマシンガントークを遮り、俺は頭を下げたら微妙な空気が流れた。


 それは俺が頭を下げたことへの驚きと無理な要求だという憐れみ。



「師匠はお前の小春への愛情は確かだと思っている。だがな、彼氏としての評価は低い。私も同感だ。それを改善する気は?」




「ある」



 それはもう即答だ。



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