華麗なる人生に暗雲はつきもの



「美紀子はそうやって男を容姿で判断する!!」



「だって、美男は正義ですから」



「だから、私は顔が良い男なんて好かないんだ!!信用ならん!!」



「それ、お父さんのただの嫉妬……」



「違う!仁と言い、俊君と言い、どうして小春まで顔の良い男ばかりを選ぶんだ!?こういうのは女性が寄って来て苦労するんだ!!」



「二人の整った顔は生まれつき。モテない男の僻みにしか聞こえないわ」



「顔で人を判断しているのはお父さんじゃない!お父さんが心配していることなんて何も起こらない」



 愛する妻子に反撃され、いつものおじさんに戻るかと思ったが。


 俺を鋭く睨み付けてから、小春、と発した。


 少し和んだ空気がまた重くなる。



「小春、私が何を心配しているかわかるか。結婚するなら最後まで添い遂げて欲しい。離婚なんて私は簡単には許したりしない。本当にその覚悟がお前にはあるのか」



 水野は、うん、と頷いたが納得がいかない顔で話が続く。



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