華麗なる人生に暗雲はつきもの
おじさんも気に食わないと思いながらも、水野を大事にしていることが伝わっているから、こうして彼女の実家で過ごせる。
そして、ご近所様にも雪かきやらと愛想を振りまいて、もう大人気。
去年からは、水野の同級生とも親しくなり、水野の昔の写真なんかも見せてもらったりした。
男子生徒が持つほうきをお得意の回転地獄蹴りで真っ二つにしている姿がそこには収められていた。
そこで俺が一番に気にしたのは、この男が水野の下着を見たかどうかだ。
それに対し、水野の同級生たちは答えた。
いつも、体操着の短パンを履いていたと。
実に色気がない女子高生時代だったと安心した。
そんな俺に尊敬のまなざしを送る男たち。
水野は可愛いけど、恐ろしくて手が出せないと。
なるほど、掃除をサボって遊んでいた男への制裁の犠牲がこのほうき。
生徒会長としての使命だとでも思っていたのだろう。
俺からすれば、ほうきを大事にすることが生徒会長の使命だと思う。
とにかく、同級生も含め、水野の地元で俺は水野の彼氏として公認となった。
そう、水野と言ったら仁は昔の話なのだ。
そして、今年も恒例の水野の実家。
しかし、少し今までと違ったことが起きたのは、俺たちが来た翌日の夕方。