彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)


《それでね、菅原さん・・・LINEでも送ったけど、もし、嫌じゃなかったら―――――・・・お昼御飯、一緒に食べない?》

「え!?お昼御飯!?」

《え?LINE、読んでくれたよね・・・?》

「あ、う、うん!」


そう言えば、そんなメッセージだったような・・・


《今日はさ、テストは午後で終わりだから、お弁当いらないけど、その・・・菅原さんとご飯食べながら話したくて。》

「私と吉田さんで、お昼ご飯?・・・話・・・・?」

《ダメかな?ちゃんと落ち着いて、きちんと菅原さんと話したいと思ってて・・・・LINEの返事、今、聞かせてほしいんだけど・・・どうかな?》

(それは・・・)



返事に困る。


(・・・吉田さんと仲良くしたくないわけじゃないけど――――・・・)



用意する必要のないお弁当をわざわざ用意して、吉田さんと語り合うのは―――――――


迷ったけど、正直な気持ちを相手に伝えた。



「・・・・私と食べてるのが見つかると、いじめがひどくなりますよ。」



だから、仲良くしていた2人も私から離れた。

被害者ではなく、加害者になることを選んだ。

今の吉田さんは、私よりも弱い立場である可能性があった。

今までやられた陰湿ないじめを思えば、吉田さんの苦労を増やすようなことはしたくない。




「私と友達だと思われたら・・・あなたまでいじめられますので――――」

(・・・やめよう。)



相手のことを思えば、断るのが最善の策。



《え!?友達だよね!?》

「え?」

《なんでそんなこと言うの!?私達、友達でしょう!?》



吉田さんの言葉に驚けば、それ以上の声色で彼女は言った。



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