彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
(瑠華さん・・・・・・)
あの人が・・・殴るほど、私を嫌いになった理由はまだわからない。
でも、あの時・・・・
(映画館での瑠華さんは、よっちゃんにすごく気を遣っていた。)
今思えば、よっちゃんのために、映画をキャンセルしたような流れだった。
(・・・・・・・情報は少しでも多い方がいい。)
私の中の凛道連がそうささやく。
気づけば、自然と口を開けていた。
「よっちゃん。」
「なに、すがちゃん?」
だから言葉を選びながら聞いた。
「よっちゃん、お姉ちゃんいるの?」
「いるよ。なんで?」
「うん・・・セクシーなお姉ちゃんだと思って。」
「え?」
私の言葉に、よっちゃんの表情がこわばる。
しかし、すぐに笑顔になる。バレバレの作り笑顔だけど。
「えっと、すがちゃんには会わせてないと思うけど?」
「うん。でも、ショッピングモールで見かけたの。曜日は覚えてないけど、映画館から二人で出てきてるのを見たから。」
「え!?・・・ひ、人違いじゃない?」
「そっか。人違いだったんだ・・・。」
「そ、そうだよ!絶対に違うって~」
(・・・誤魔化したか。)
私としては、正直に話してくることは期待してなかった。
だから会話を途切れさせることなく、スムーズに話を続けられた。
「ごめんね。よっちゃんに似てるなと思ってたけど、フードをかぶってたから・・・よっちゃんに似てた子。セクシーなお姉ちゃんの方ほど、よく顔が見えなかったし・・・ごめん。」
「あはは!いいよ、いいよ!間違いは誰にでもあるから!」
(嘘だな・・・)
明らかに動揺してる。
視線も不自然にスウィングしてる。
「あ、信号変わったよ、すがちゃん!行こう!」
「そうだね。」
急かすように言われ、それで、瑠華さんとのことは強制終了。
(瑠華さんのことは、隠したいみたいね・・・)
あんなに友達と言ってくれたのに、瑠華さんのことを話すほど、信用されてないと言うことか・・・
そう思ったら胸が痛くなった。
(親友とまで言っておいて・・・・ひどいじゃん。)
そんな思いで、信号を渡り終えた時だった。