隣の部屋のお兄ちゃん
そして、次の瞬間──。
自分から陽斗くんに近付いて、陽斗くんの唇にあたしの唇を押し当てた。
一瞬だったけど、心臓がとまるかと思った。
あたしの目の前には目を大きく見開いた陽斗くんがいる。
「え、あれ?」
「……」
「さっちゃーん……?」
自分からキスしてなんだけど。
恥ずかしくてうつ向くあたしの耳に、困ったような情けない陽斗くんの声が聞こえた。
なんだかそれがおかしくて、自然と口元が緩んでしまう。