皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
毒殺されかけて死にそうになったのは過去2回。



初めての時と、耐性がなかった即効性の毒の時。



寝てる間に暗殺者に襲われたこともあるし、部屋と馬車に爆弾を仕掛けられたことも何度かあった。



よく生きていると自分でも笑えるくらいだ。



そんなもののせいか、俺は他人が信じられない。



妹と弟たち、それに母上。



俺の護衛や執事をしているジェードと、昔から世話をしてくれている数人のメイド。



そのくらいしか、信用できないのだ。



友達なんてものはいるわけもないし、作る気もない。



「大丈夫ですか?」

「あぁ、多少胃が熱い程度だ」

「なにに毒が混ぜられていたのか探らせます。殿下はお休みください」

「父上にはなにも?」

「そのようです。久しぶりでしたね…。夜はいかがなさいますか?」

「誰か連れて来てくれ。ひとりより狙われにくい」

「かしこまりました」



毒を盛られると、しばらく暖かい食事はできなくなる。



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