皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
毒味や確認後の冷えた物のオンパレード。



そんなことも、昔からよくある。



「失礼します。殿下、お呼びいただきありがとうございます」

「俺は寝る」

「かしこまりました。隣、失礼します」



女の魔導士を呼び、同じベッドに入る。



こうすれば、俺はひと晩守ってもらえるのだ。



誰かがいれば敵も手を出しづらくなる。



男の魔導士でも別にいいのだが、変な噂が立っては困ると、女の魔道士を呼ぶのだ。



俺が眠っても、一晩眠らない魔導士。



こんなことでもしない限り、俺はゆっくり眠ることができない。



この魔導士が俺を殺そうとしていたら、俺はきっと死ぬんだろう。



こんな環境と闘っていると、やっぱり他の人間を信用することは難しいのだ。



別にいい、ひとりでも。



なにも望まない。



そんな俺、シュナウト帝国の第一皇子、フィンリューク・エドワード・シュナウト。



現在15歳。



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