皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
キスして、キスして、しまくって。



触れるか触れないかの、もどかしい感じ。



ナイトドレスのリボンを解けば、ガチガチに固くなったアリスの体。



ゆっくり下げた肩口にキスをして、痕を残す。



首筋を撫でれば、ビクッとさらに強張る体。



「アリス?」

「はいっ‼︎」

「そんなに怖いか?」

「こ、怖いです…。経験のないことは…何でも怖いです…」

「俺が相手でも、か…?」

「えっ、そ、そう…ですね…。殿下が…相手ですね…」



手を伸ばしたアリスは、ギュッと俺の頭を抱きしめた。



心臓の音がドクドクと鳴り、アリスの緊張が伝わってくる。



フゥーっと息を吐いて、手を離したアリスは俺の顔を包み、触れるだけのキスをした。



「怖く、ないです。殿下…フィンリューク様が、相手なので」



真っ直ぐ俺の目を見てそう言ったアリスに、心を全部持って行かれた気分になった。



腹、苦しい…。



< 263 / 480 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop