皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
そんな自己嫌悪に陥ってからお城に戻ると、久しぶりのリュークとの時間が待っていて。



成人のお茶会のお話をすれば、頭を撫でられた。



「気にする必要はないし、俺が選んだのはアリスなのだ。ひと言『不敬だ』とでも言ってやればよかったものを」

「だって、私が偉いのではなく、リュークが偉いのですよ?私は何もしていないお飾りのように見られているのですし…」

「俺を支えているではないか。アリスにしかできない仕事だと思うが?」

「そんなことない…」

「もっと偉ぶってもいいくらいなのに。城の者はアリスのことを『謙虚』だと言っているぞ?わかる者はわかっている」

「リュークは…?」

「もっとわがままを聞きたいと思っているが…今、わがままを言われても叶えてやれる程の余裕がないな…」

「わかっています」



『そういう所だ…』と、抱きしめてくれた。



もっと、他の人から認められるくらいの立派なお妃にならなければ。



この先もリュークを支えていくために。



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