皇子に嫁いだけど、皇子は女嫌いでした
小さな頃はよくふたりで城の中で隠れんぼをした。



メイドから逃げ、勉強から逃げ。



秘密基地を作り、父上にバレてものすごく怒られた記憶がある。



「リュークがこんな仕事するようになるとはねぇ…」

「ルイが次の皇帝にって声も多かったのに、さっさと婿に行ったんじゃないか。だから俺が後継ぎやってんだ」

「僕より皇帝向きなのはリュークだよ。僕はほら、理想の楽園を作るのが夢だったしね」



ルイ公爵は、自分の領地に最近動物園を作った。



一般にも解放されていて、人気があると聞いたことがある。



フワフワした笑みを浮かべ、幸せそうに笑う姿を見ると、やっぱり安心する。



動物が好きすぎて、部屋の中をウサギでいっぱいにしていた時は…さすがに俺も引いたけど。



とても優しくて、大好きな一人。



「で、結婚生活はどう?」

「まぁ、そこそこ…」

「うまく行ってないわけね」

「いやぁ、さすがにムリ…。後宮なんて作ったのがバカだった…」

「ひとりの奥さんでも大変なのに、3人もムリだよ。兄上はよくやってるよ…」



父には側妃が3人いる。



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