―――桜田門―――
『拝啓 鈴木誠様
今、令和の二年が始まりました―――。貴方に・・・一つだけ、聞きたい事が、あります―――。貴方は・・・私の事を・・・見捨てないで、いてくれるでしょうか?明と同じように、私を裏切る事はないでしょうか?もし―――そうなら、貴方の性を変え、私と一緒にいてくれますでしょうか?それとも、こんなになった私・・・嫌いなんですか?本当は・・・私も・・・初めて、会った時、ずっと好きだったんです。ねぇ・・・私は・・・見る目がないんでしょうか?人を見る目がないのでしょうか?どうして、明を信じてしまったのか?加木屋忍は明の兄―――どうして、此処に、この世にいるんでしょうか?私の心が暗くなってしまい、貴方は・・・どうしますか?ずっと、このまま警察官を出来る事が出来るのでしょうか?それに―――明を忘れる事ができるでしょうか?それは自分の問題だと、分かっています―――。お兄様から、恋人に昇格させて欲しいわ。だから、自分の事を考える事になり、貴方が大事だと、はっきりと分かりました―――。
加木屋誠さん―――。貴方に・・・直接渡しますから、即読んでください―――。警察官を続かせてください。私はまだ―――警察を辞めたくない。警察官は自分にとって、大事な仕事でもある。私は気づいた事がある、もし―――この先、誠がいると、力が湧いてくる気がして、かなり大きな存在に気づいてきた―――。だから、一緒にいさせてください―――。もう・・・私には、貴方しか残っていないの―――。甘えているかもしれないけど、自分が撃たれて、漸く御じい様の言う事がわかった―――。御じい様は・・・今、もうどの世界にもいない―――。だから、これから、ちゃんと生きていける目標が欲しい―――。警察官は確かに、危険だけど、人々を救う事もある―――。
                                    敬具 鈴木連』
< 63 / 133 >

この作品をシェア

pagetop