元姫と隠された真実Ⅲ

【沙羅side】

「んっ……、」

目を覚ますと、真っ白い部屋。
床の所々にはところどころには血が付着している。
少し動くと、チャランという音がする。
手首足首には手錠、首には多分GPSが付いている首輪が着いていた。
また少し動くと、腰がじくじくと痛む。
昨日の行為のせいだ。
勿論、合意の上ではない。

「さーらっ!」

楽しそうに私の名前を呼ぶ男、瑞希の声を聞くと無意識に震えてしまう。
ギシッ、という音と共に瑞希がベットに乗って来た。
そして私の方を見てふふっと微笑んで、私の垂れて来た髪を耳に掛ける。

「沙羅、また戻ってきてくれて嬉しいよ。愛してる。」

そう言って、瑞希は私を抱きしめる。
戻ってきてくれて?…私も居場所は元々ここではない。
しかもこれは強制的に連れてこられたことと同じ。

「やめて、触らないで。」

少し震えた声で抵抗しても瑞希は私を離そうとはしない。

「やだよ~、だって久しぶりに会えたんだよ?寂しかったんだから。」

不貞腐れたかのようにそう言う瑞希に私は気持ち悪いという感情しか頭にはなかった。
もし、瑞希が普通でいて、こんな風に狂っていなかったら女の子たちは惚れてしまうんだろうな。
ただ、私はそんなことにはならない。

「あっそう。」

私は瑞希を見るのも嫌になって顔を背ける。

「沙羅~?ふふっ、照屋さんだね?」

嬉しそうに、楽しそうにそう言う瑞希に私は心底嫌になった。
もう、全部分かってるくせに。
私が、何を嫌がるのか。
そして…、私が瑞希を嫌いってこと。
でも瑞希は変わらない。
否、変えようとしていない。
欲しいものはなんでも手に入れようとする。
それは、相手が嫌がってもなんとしてでも。

「あっ、そういえば今からちょっと用事があった。ごめんね、沙羅。ちょっとおとなしくしててね。」

瑞希は腕時計の時間を確認してそう言った。
そして、「いってきます。」そう言って私のおでこにキスを落として部屋を出て行った。
瑞希が出て行ってしばらくした頃。
私は、ベットから動ける少しの距離の中にある机の上のカッターナイフを取る。
すっと目をつぶって私は腕を切る。
所詮リスカといったもの。
私は此処に来るたび何度もこの傷を作っていた。

コンコン

ドアがノックされる。

「沙羅様、失礼します。」

そう言って入って来たのは…、

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