元姫と隠された真実Ⅲ


「帝……。」
「……沙羅、久しぶり。」

帝…。
それは瑞希に仕える男だ。
憎ましい程に整った顔と、平均よりも高めの身長。
あぁ、久しぶりだな…。
瑞希がいない時に密かに話し仲良くなっていたのだ。
帝は、瑞希に良い思いをしていない。
むしろ瑞希を変えたいと言っていた。

「また…、捕まっちゃったんだ。」
「そうだね。」
「手だして。沙羅。」

帝は、私と2人きりの時だけ敬語を抜いて話してくれる。
言われた通りに手を出し、手当てをしてもらう。
私が腕に傷を作ることを帝は分っていて、それでも止めない。
それが帝の良いことだと思う。
私が止めないことを知っていて、それでいて私が壊れてしまわないように。
ちゃんと考えていてくれてる。
でも、毎回手当てをすること条件にだ。
私は別にしなくていいと言ったのだけど、帝の良心に素直に甘える事にした。

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