先輩の彼女
違う違う!

勝手に勘違いしたのは、そっちだって!

「おはよう、斎藤。」

「おはようございます。」

隣に座った間野さんは、いつも通りの清潔スタイル。

そこには、夜中帰ったなんて、微塵も感じさせない完璧さがあった。


「先輩、昨日は家まで送って頂いて、有り難うございました。」

ドキドキしながら、話しかけてみる。

「ああ。よく眠れたか?」

「はい、すぐ寝ちゃいました。」

「そうか。よかった。」

昨日の厳しい間野さんからは、想像できない程の笑顔。

朝から得した。

「先輩は、」

私が話しかけた時だ。

「間野!昨日の一件、どうだった?」

出勤した部長が、横やりで間野さんを呼んだ。

「はい!」

案の定、間野さんは部長の元へ行ってしまって、私と間野さんのおしゃべりは、そこで終わってしまった。


「先輩、カッコいいですよね。」

向かい側の席から、白石さんがニヤニヤしている。
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