コーヒーのお味はいかが?
「良かったね。前に進めて」

「え、あぁ、うん」


嬉しそうに微笑んだ理緒に、自分のことのように嬉しくなる。

大学の頃の理緒には、中学からずっと片想いをしていた、幼馴染みの彼がいた。

それがまたロクな男じゃなくて、みんなから反対されていた。

それでも理緒は、大学を卒業してからも、ずっと彼一筋だった。


「本当、最近なんだ。大和(やまと)のこと、諦められたの」


そうそう!ロクでなし大和!

会ったことはなかったが、みんなで勝手にそう呼んでいた。


「そっか。いい人に出会えて良かったね」

「そう言う結可は、どうなの?」

「あたしは全然。あ、でも最近、凄いイケメンと会った」


接点なんてないし、これからも関わることなんて一生ないと思う人だけど・・・

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