コーヒーのお味はいかが?
「まぢ?恋に発展しそうなの?」

「そういうんじゃないよ」

「なんだ、つまんないの~」


理緒の言葉に、あたしは苦笑いする。


「何がつまんないの?」

「涼介!お疲れ~」


突然会話に入って来た男に、理緒は嬉しそうに笑みを浮かべた。

この人が、ロクでなし大和を忘れさせた男か。


「と、桐原先生も、お疲れ様です」


取って付けたように「桐原先生」と呼ばれた男は、こないだ火傷の処置をしてくれた先生だった。

そう、ついさっき、理緒に話した凄いイケメンな先生。


「珍しく酔ってんだな、お前」

「酔ってちゃ、悪いですか?その無駄に整った顔で、看護師たちを酔わせてる奴が!」

「いや、知らねぇよ」


本人にその気がなくても、その顔立ちなら、世の女性人は放っておかないよ。

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