コーヒーのお味はいかが?
男の子の目線に合わせ、問い掛ける。


「僕、怪我は?」


男の子は、泣きそうな顔で首を横に振る。


「そう、よかった。僕、1人?」


その問いに、男の子は頷く。

パジャマ姿で、小さな男の子が1人。

男の子の手首を見ると、入院患者が付けているリストバンド。


「ねぇ、僕。お姉ちゃん、これからお医者さんのところに行きたいんだけど、病院を案内してくれないかなぁ?」


男の子は驚いたような顔をしたが、いいよ。とお願いを引き受けてくれた。


「じゃ、ちょっと待っててくれる?」

「うん」


男の子の返事を聞き、あたしはスタッフルームへと急いだ。

着てきていたパーカーを羽織り、携帯と財布を手にし、再び男の子の元へと戻る。

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