氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
 めっちゃ誤解されてる。
 そしてその理屈、意味不明だし。

 なにより教室で目立ちまくりなんだけど。

「ちがいます」
「友だちだって思っちゃいけないの?」
「いや、彼女じゃないです」
「えー。でも俺、見たよ? 君が氷河とイチャイチャしてるの」

 周りからボソボソと声が聞こえてくる。
 となりで沙里も目を丸くさせた。

「ちょっ……ヘンなこと言わないでくださいよ!」

 いつわたしがあの仏頂面とそんな雰囲気になった?

「ひとつのイヤホンを二人で使って。ヒワイだなあ」
「どこがですか!!」

 あれはアイツが話を聞いてくれなかったから、やむを得ずで。

「……って。先輩いましたっけ?」
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