氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
「気を使わせちゃったかな」

 さらっと紹介してくれた。

 わたしのこと、彼女って。

 ……うれしい。

「ご飯いらないって、どこかで食べてくるの?」

 せっかくだから一緒に食べようって今からでも誘えないものだろうか。

「どうだろうな。そのまま泊まってくる可能性も、なきにしもあらず」

 中学生……だよね?

 もうお泊まりとかするんだ。

 アイスホッケーの友達のところとか?

「それにしても、似てるね」
「顔はな」

 社交的っていうか。大人びてるというか。

 性格は全然違うの面白いな。

「さっさと始めるぞ」

 ……え?

「はやく済ませた方がいいだろ」

 なに、いきなり。

「出せよ」

 出す?

 出すって……。

「ここのテーブル使えばいい」

 リビングのテーブルで……なにを?

「いきなり英語にするのが無理なら。ひとまず日本語で書いて。いかに簡単に要約するかだろ」
「あ……。読書感想文?」
「他になにがある」
「手伝ってくれるの!?」
「どうしてもわからないとこだけな」
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