氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
「当麻と喧嘩でもしたか」
「そうじゃなくて。その……」
わたしは、自分から友達を作るのが苦手だ。
藍さんや紗里、桜のように向こうから積極的に絡んでくれたりフットワークの軽めな子だと話しやすい。
でも、天津さんは――……壁が目に見える。
「あの赤メガネちゃん?」
どうしてわかっちゃうかな。
「神経質そうな子だな」
「いい子なんです、すごく。真面目で、努力してて。頑張ってる人に寄り添うところもあって……」
――“一生懸命な人をからかうのは。あんまりだと思う”
「からかうって……。思わせぶりってなんのことですかね?」
「まったく話が見えないな」
「ですよね! って、すみません。イガラシさんにこんなハナシ……」
「すれ違ってるなら。話し合うとか」
「そう、ですよね」
「どうでもいいと思うなら。最低限の付き合いだけしてれば」
「どうでもいいとは思いません……!」
「まあ。とりあえず」
「とりあえず?」
「金払え」
レジのお姉さんが、ニコニコしてわたしが支払うのを待っているのを見て気づく。
「……あ」
お金、足りない。
「そうじゃなくて。その……」
わたしは、自分から友達を作るのが苦手だ。
藍さんや紗里、桜のように向こうから積極的に絡んでくれたりフットワークの軽めな子だと話しやすい。
でも、天津さんは――……壁が目に見える。
「あの赤メガネちゃん?」
どうしてわかっちゃうかな。
「神経質そうな子だな」
「いい子なんです、すごく。真面目で、努力してて。頑張ってる人に寄り添うところもあって……」
――“一生懸命な人をからかうのは。あんまりだと思う”
「からかうって……。思わせぶりってなんのことですかね?」
「まったく話が見えないな」
「ですよね! って、すみません。イガラシさんにこんなハナシ……」
「すれ違ってるなら。話し合うとか」
「そう、ですよね」
「どうでもいいと思うなら。最低限の付き合いだけしてれば」
「どうでもいいとは思いません……!」
「まあ。とりあえず」
「とりあえず?」
「金払え」
レジのお姉さんが、ニコニコしてわたしが支払うのを待っているのを見て気づく。
「……あ」
お金、足りない。