氷河くんのポーカーフェイスを崩したい。
「ほんっとに、すみません」

 荷物を半分持たせた挙げ句、お金まで借りてしまった。

 買い出し用のお金をもらってくるのを忘れたのだ。

 おそらく藍さんが持っている。

 だから一緒に行けって言われたんだな。

「必ずお返ししますので……!」
「当たり前だ」
「お、怒ってます……か」

 怒ったよね。

 ごめんなさい。

「はは」

 ――――!?

「どんくせーな。ほんと」

 笑って……おられる?

「このくらいのことで怒るかよ。むしろ笑い堪えるのが大変だ」
「え?」
「ただ同然で呼ばれてんだ。こんくらいさせてもらうし。なんなら毎日でもパシられてやるけど?」

 いやいやいや。

 こんな失態、もう二度と……!

「あ」

 そうだ。

 それじゃあ、

「お願い。一つ聞いてください」
「なに」
「ご飯。一緒に食べましょう!」
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