闇色のシンデレラ
憂雅くんはいつの間にか厨房の入り口付近にいた。



「耳元で叫ぶな、説教中に逃げるお前が悪いんだろうが」



後を追ってきた剛さんに(たわら)抱きにされて。



「アニキ、司水さん!?」



力さんは声を上げて驚いた様子。振り返ると背後に司水さんがご登場。



「力、毎度迷惑かけて申し訳ない限りです。お邪魔しましたね」

「い、いいえ!」

「剛は……しばらく憂雅をお願いします」

「へい。おら憂雅、説教の続きだ」

「やだやだー!」



彼は力さんと剛さんに交互に視線を送ると、今度はわたしに笑みを見せる。



「壱華様も重ね重ね申し訳ありません。
もうこのようなことはないようにいたしますので」

「いえ、大丈夫です。わたしが勝手についていっただけですし。
それに、許可なく厨房に入ってしまってごめんなさい」

「いいえ、こちらこそお世話さまでした。
力をほめてくださると仕事に精を出るのでありがたいです。

それでは……こちらについてきていただけますか?とりあえず元の場所に戻りましょう」



……司水さん、いつから見てたの?


まあ、感謝されたからいいんだけど。色々考えながらわたしは厨房から遠ざかっていった。
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